茨城県合気道連盟だより第16号(平成5年)より

 

武産に就いて   齋藤守弘
 

 近ごろ、武産と言う言葉を簡単に口にしているが、武産とはいったいなんであるか分かっているのだろうか、何なのか分かっていれば、少なくとも日本の合気道はかなりの進歩があって良いはずである。

 武産とは合気道の原理を研鑽することにより、無限の技が生まれてくると言う、実技の問題である。合気道(剣、杖、体術の理合)の修練は、区別をハッキリと稽古をしなければならない。一教と二教の区別、表、裏の区別、基本と気の流れの区別、段階的な稽古、関連技の研究、それらからの応用技、変化技、(応用技とは基本の技をあらゆる可能性のあるところに利用する技の事である、変化技とは技の進展により適切な技に切り替えることである。)私は1992年の6月イタリアに於いて、自分にどれだけ出来るか試してみた。基本、気の流れ、応用技、変化技、400以上の技が簡単に出てきた、まだまだ座り技も半身半立ちも返し技も済んでいないが恐らく全部で600近くになる筈である。

 正しい伝統的稽古の方法で修練を続ければ、基本から応用変化技、また関連技からも限りなく技が生まれてくるはずである。私は現在、武器技においては、開祖の教えから、それらを整理して一人稽古から二人稽古に(剣対剣、杖対杖、剣対杖)を合気の応用技として世界中に指導しております。武産に就いて以下に名文を並べても、実技が伴わなければ指導者とは言えません、本年はお互いに心して大いに研鑽する事に致しましょう。

      1993年元旦  齋藤守弘
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